Jam 2022年11月号
昭和 37年の発足以来、JA福 岡市(福岡市農業協同組合)は、 都市型JAとして、全国に先 駆けた取組みを数多く実践し てきました。この 10月に発足 60周年を迎えたのを機に、代 表理事専務に加え、JA福岡市 の将来を担うであろう若手・ 中堅職員に集まってもらい、 現状と未来のビジョンつい て話を聞きました。 社会の変化ともに 変わるJAの役割 宗欣孝 私が入組したころは、 まだ「古き良きJA」の時代。 農業従事者も多かったので、 地域とJA(農協)が同じ方向 を向いていました。私自身が 農家のせがれだということも あり、農業には強い思い入れ がありました。だから、農家の ことを一番に考えて、がむしゃ らに努力しました。 そのころは、JAとしての業 務だけではなく、地域のさま ざまな活動にも力を入れまし た。消防団にも所属した、P TAの会長もやりました。そ うすると自然に地域との関係 性が生まれる。 都会のマンションで暮らす 若い皆さんには、こういう感 覚はわからないかもしれな けれど、気持ちの部分で地域 との交流を意識してもらえる といいなと思います。 飯盛弘人 今宿支店で私が担 当している農家の方々は、昔 と変わらず私たち を 〝 農協 職員 〞 と してかわいがってく ださいます。しかし、親の代が 農業をやっていても、その子 どもの代は離農して、地元を 離れるケースが非常に多く、 若い方とお付き合いする機会 が少ないです。 木下仁 樋井川支店も今宿と 同様です。都市部の支店なん ですが、若い方とのつながり は薄いかなと思います。年配 の方は「農協さんが言うなら そうしよう」と信頼を寄せて くれるのですが、若い方はまっ たく意識が違うので難しを 感じています。 田中晴香 若い方は平日にお 会いするのが難しいといこ ともありますよね。時代の変 化と に、多種多様な職業 を選ぶ後継者が増え、専業よ りも兼業の次世代の方が増え ています。 それに現代は情報があふれ 返っていて、私が担当してい る金融や共済の商品にしても 他社のものと比較されます。 昔は「農協に全部任せよう」と いう家庭が多かったと思うの ですが、いまは選択肢が多い ので、若い方ほど慎重です。 結城紗南 私は本店の園芸販 売課にいるので、地域のこと は皆さんほど把握できていま せん。指導部門として生産者 の方の意見を直接取り入れる ことができるポジションなの で、それらの意見を生かして 生産者の所得向上につなげよ うと心がけています。 宗 いま、結城さんが取り組 んでいる指導経済は、一番 〝農 協らしい〞 仕事ですね。農業を 支えていくといJAの本分 を果たすためには、 部門 ががんばらなければけない。 しかし、そもそもJAの収益 が上がる仕事ではありません。 それをカバーするのが信用・ 共済事業です。だから、それぞ れの部門がお互いをリスペク トすることが大事なので。 飯盛弘人 結城紗南 田中晴香 宗欣孝 木下仁 組合員の笑顔を支えに 日々奮闘を続ける 飯盛 地域とのつながりとい うことでお話しすると、今宿 ではもち米と色米で田んぼに 絵を描く「田んぼアート」とい う取組みをおなっています。 青年部の皆さんと話し合いを 重ねて半年前から準備を進める のですが、これが本当に大変 で … 。でも、秋を迎えてきれい にできあがったのを見ると本当 にやってよかったと思うんで す。今年で田んぼアートは最後 となりますが、この取組みで 今宿が盛上がるきっかけに なればいいなと思っています。 木下 私が雑餉隈支店に勤務 していたころの話ですが、組 合員さんのドバイ旅行を引率 したのが大きな経験になって います。組合員の方から一緒 に行こうと誘っていただいた んです。いつもとは違う環境 でいろいろな話ができたのは 本当によかったと思います。 田中 組合員さんはいい方が 多いですよね。入組したとき、 私は指導経済部直売所の担 当をしていました。そのとき にお付き合いのあった組合員 の方々が、私が支店に配属さ れてからも支店に足を運んで くれて励ましてくれてたん です。支店仕事は指導経済 部とはまったく畑違いだっ たので、不安で仕方なかった のですが、おかげで乗り越え ることができました いまでもバイクで外回りを していると、畑から組合員さ んが手を振ってくれたり、声 をかけてくれたりして、組合 員さんに元気をもらっている んだなぁと感じます。 結城 担当している畜産の生 産者の方に冗談でも「結城さ んがいてくれてよかった」と 言ってもらえると本当にうれ しいですし、心糧なりま すよね。畜産の資格を取った ときもすごく喜んでくれて、 実際にその資格が、いま生産 者の方のプラスになっている んです。役に立てて本当によ かったと感じています。 宗 ここ2、3年はコロナ禍 で組合員さとも対面で会え なくて、みんなそれぞれ苦労 したと思いますが、 でも 事業はしっかり継続できてい る。それありがたいことで す。そろそろ普通の活動に戻 していけるといいですね。 10年、 20年先を見据え 持続可能な協同組合へ 飯盛 金融部門の今後につい て考えると、金融商品には限 界があるので、組合員さんの ための確定申告のお手伝いや、 細やかなサポートで差別化す るしかないのではないしょ うか。 木下 JAの強みは組合員さ んとのつながりで、それはど んな金融機関でも真似できな い。それを持続可能なものに するために、「古き良き時代の JA」に戻ってほしいという 想いはあります。JAと組合員 さんがしっかりとした信頼関 係で結ばれていた時代ですね。 もちろん私自身その時代を 体験していませんが、上司た ちから、当時の組合員さんた ちとの思い出話を聞くだけで 本当に楽しくなります。そん な関係をいまの若い世代方 ともつくる方法がなにかない でしょうか。 宗 「古き良きJA」と言えば、 私が入組したころには各支店 に営農指導員がいました。そ れが昔ながらの農協の支店。 そんな支店がまたつくれたら いいですね。 飯盛 JAはやはり農協なの で、金融に加えて営農の部分 で直接農家さんをサポートで きるような仕事が必要だし、 自分も興味があります。 結城 私は、指導部門の職員 にも金融の知識があればいい なと思います。生産者の方か ら「ハウスを建てたい」という 希望をお聞きするんですが、 私には金融の知識がないで 支店に引き継いで後日、支店 に結果を聞く感じです。営農 指導員が生産者の方に経営指 導できるくらいの能力と知識 があれば生産性も上がると思 います。 田中 皆さんがおっしゃるよ うに、営農の知識を付けてい くことが大事だと私も感じて います。そのためには、JA福 岡市の新「総合三ヵ年計画」を 職員が意識しなくてはいけな いと思います。 計画のなかで「福岡市食料 農業協同組合」への変革が謳 われていますが、ここがとて も重要だと思います。職員一 人ひとりがこの内容を噛みし めて同じ方向を見て進んでい けば、持続可能な農業が実現 できるのではないでしょうか。 宗 なぜ、「福岡市食料農業協 同組合」という言葉を盛り込 んだのかと言うと、JAは食料 を生み出す農業のためにある から。食料は全国民に関係が あるものなので、JAは農家以 外の方にとって無関係なもの ではないということを言いた かったからです。 万が一、食糧危機が来たと きには、正組合員が丹精込め てつくった農産物を優先的に 准組合員に供給すると、准組 合員の方にお伝えしたい。だ から、JAと福岡市の農業を応 援してほしいのです。 ロシアのウクライナ侵攻を 契機に日本でも海外依存の食 料が高騰して、一般の人も食 糧危機についてリルに感じ るようになりましたが、まだ まだ多くの人と、国内農業の 大切さを共有していかなく はなりません。 JA福岡市は全国でも模範 的なJAといわれています。 職員にはそのことに自信を もってほしい。JAの未来は、 ここにいる皆さんのような若 い職員の双肩にかかっていま す。組合 方々に愛される 職員になって、地域やそこで 暮らす組合員に寄り添うよう な仕事をしてくれることを 願っています。 Jam 2022November 今宿支店渉外主任 平成26年入組 園芸販売課 令和2年入組 入部支店渉外主任 平成19年入組 代表理事専務 昭和62年入組 樋井川支店渉外主任 平成26年入組 m e m b e r JA福岡市発足60周年記念企画 特別座談会 04
Made with FlippingBook
RkJQdWJsaXNoZXIy NzkzNzI=