Jam 2023年4月号
地域の取組みで農作物を守ろう STOP! 鳥獣被害 経済的な被害に 目に見えない影響 イノシシやアライグマ、ヒヨドリなど、 野生鳥獣による農作物への被害が深刻です。 被害を防ぐためにはどうすればいいのでしょう? 被害を減らすための 「三本柱」とは? 平成24年~令和3年イノシシ年間捕獲数 (JA福岡市管内) 捕獲方法は銃とワナの両方を含みます。グラフの10年間 でもっとも捕獲数が多かったのは令和2年。この年の捕 獲方法を見てみると98%近くがワナによるものでした。 鳥獣による被害は、おもに稲や野菜、イモ 類などで報告されています。特にイノシシ による被害は甚大で、福岡市内の令和3 年度の被害額は、なんと約2,680万円! 263 444 476 618 615 505 663 515 994 790 03 令和3年度の福岡県の野生 鳥獣による農作物の被害金額 が、全国で2位だったことを ご存じですか? 全国の被害額 はおよそ155億円。福岡県 は約6億2,000万円で、北 海道に次ぐ被害金額を記録し ました(農林水産省調べ)。 福岡市も例外ではありませ ん。早良区南部のほか、志賀島、 能古島でも多くの被害が記録 されています。福岡市内の被 害額の7割はイノシシによる もの。行政や生産者さまざ まな対策を講じていますが、 上のグラフでも見てとれるよ うに、イノシシの捕獲数は高 止まりしており、被害額も近 年減少傾向になりますが、依 然高い水準にあります。 生産者にとってみれば、せっ かく育てた作物が食い荒らさ れることによる経済的な損害 は大打撃です。加えて、被害を 受けた結果、農業を続ける意 欲が減退し、耕作放棄や離農 に至ることもあると、農林水 産省は指摘しています。 このような被害を防ぐため には、ど う方策とれ ばよいのでしょか? 鳥獣被害対策の三本柱とし て掲げられているのが、「個体 群管理」「侵入防止対策」「生息 環境管理」です。 「個体群管理」とは、有害鳥 獣を捕獲することです。その 際には銃やワナを使用するわ けですが、いずれも免許およ び登録が必要です。イノシシ の狩猟期間は原則として、 11 月 15日から翌年の2月 15日ま で(北海道を除く)と定められ ていますが、福岡県では、イノ シシなど特定の有害鳥獣を捕 獲する目的で、 10月 15日から 4月 15日まで狩猟が認められ ています。 有害鳥獣の圃場への「侵入 防止対策」を図ることも不可 欠です。生産者の多くは、電気 柵やワイヤーメッシュ柵を圃 場の周囲に巡らせ、被害を防 ごうと努力しています。しか し、「設置したから大丈夫」で はありません。たとえば、電気 柵の場合、柵の周りに草が生 えていると漏電し、柵に電気 が流れない場合もあります。 また、柵に穴が空いていると、 その穴から侵入されるケース も報告されています。このよ うに設置後にも定期的に手入 れをしないと、効果は十分に は発揮でき のです。 3つめの「生息環境管理」と は、有害鳥獣が近づかないよ うに地域の環境を整備するこ とです。圃場に近い場所に茂 みがあると、鳥獣はそこに身 を隠し圃場への侵入を試みま す。このような茂みを刈り、潜 み場をなくします。また、収穫 残渣や熟して落ちた果実、生 ゴミなどは、鳥獣にとっては 絶好のエサ。放置している、 鳥獣がそ場所をエサ場と認 識し、柵などで防護していて も、無理やり入ってくること もあります。したがって、エサ になるものを徹底的に排除す ることも、「生息環境管理」に おいては非常に重要な要素と なります。 この三本柱を徹底すること で、鳥獣被害は確実に減らす ことができます。特に環境の 整備については、地域ぐるみ での取組みが求められます。 捕獲の強化において、大き な武器になるのが ICT (情 報通信技術)です。福岡市は、 令和元年にイノシシ対策のた めの部署を設けた当初から、 ICT に力を入れてきました。 協議会から猟友会のメン バーに通信用の子機を提供。 メンバーはその子機をワナに 仕込みます。そして、ワナが作 動したら、メールが猟友会の メンバーに送信されるという 仕組みです。 これによって狩猟者の負担 は大幅に軽減しま 。ワナの 数を増やせば、当然、捕獲数は 増加しますが、ワナが増えれば 0 200 400 600 800 1000 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 ほじょう Jam 2023April
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