Jam 2022年4月号
亡くなった父の消費者 金融からの借金は相 続放棄できるのでしょ うか? Part.250 弁護士 東 拓治 お答えするのは 毎年110万円までは贈与税がかからない暦年 贈与を活用し、相続対策をされている方は多い のではないでしょうか。贈与税には、他にも住宅 取得資金贈与や教育資金一括贈与等の非課税 制度があります。しかし近年、贈与税の非課税 措置は資産格差を助長していると指摘されて おり、財産移転のタイミングに関わらず、税負担 が一定となるよういわゆる「相続税と贈与税の 一体化」が検討されています。 例えば、 (1)生前贈与の相続への持ち戻し期間の延長 (現在は相続開始前3年以内) (2)相続時精算課税制度を中心とした制度とす ること 生前の贈与時に贈与額のうち一部を贈与税と して納税し、相続税申告により税額を「精算」納 付又は還付を受ける方法などが考えられます。 昨年12月に出された令和4年税制改正大綱 では大幅な改正には至っておらず、来年度以降 に持ち越されることとなりました。しかし今後 見直される可能性がないとは言えません。 改正の動向に注視しつつ、今後の贈与につい て検討されることをおすすめします。 相続税・贈与税一体化について 税金・相談・開発・不動産の事ならズバリ! 今回の知っ得担当 vol. 151 相談課 石津 英一朗 知っ コーナー 得 数ヵ月前に長年別居していた父が他 界しました。 母は五年前に亡くなってお ります。 父の遺品を整理しておりますと、 数社の消費者金 融からの督促状が届いておりまし た。 その督促状 をみますと、 どれも最後の 返済が今か ら 15年以上も 前のものばかりで、 残った元金の三倍から五倍もの 額の遅延損害金が計算されています。 父はアパート住まいで遺産に不動産はあ せ んが、 預貯金は数十万円ほど残っています。 もし、 消 費者金融の債務に時効が成立しているのでしたら 相続放棄をせずに時効を主張すれば、 残った預貯金 を取得することができると思います。 しかし、 消費 者金融以外の、 個人の債権者とかに借金をしていた ら心配です。 もしも、 消費者金融に時効を主張した時に時効が 成立していない債務があ と分かった場合、 あらた めて相続放棄をすればよいのでしょうか? Q 結論から申しますと、 相続放棄がで きない可能性が多分にあります。 と申しますのは、 家庭裁判所に相続 放棄をしますと言っても、 遺産を処分してしまえ ば相続することを受け入れたことになってしま うからです。 これにより、 被相続人の債権者から の追及をかわすことはできなくなってしまいま す。 そして、 債権者に対して借金の時効を主張す ることは、 被相続人の債務である借金を した 上で成り立つものですから、 先に申しましたよう に相続することを受け入れたとみなされる可能 性があるのです。 古い裁判例には時効を主張した 後でも相続放棄を認めた もありますが、 全て の裁判所が同じ判断をするという保証はありま せん。 ですから、 本来借金から確実に免れたいの あ れば相続放棄をすべきですが、 もし、 相続人全員 の協力を得ることができるのでしたら限定承認 をすることも方法のひとつです。 遺産の範囲内で 借金 返済するというものですから、 時効の主張 ができ、 個人の債権者がいない場合は遺産をその まま取得することができます。 A 10 Jam 2022 April よろず 法律相談室
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