Jam 2024年1月号

私の母は父から相続した自宅と アパートを数棟持っていますが、 現 在 90歳を超えており、子どもであ る 私たち兄弟のために遺言書を作成すると 言っております。その遺言書も、手が震えて自 分の名前を書くのがやっとという状況で、とて もすべてを書き終えることができそうもあり ませんので公正証遺言を希望してます。  公正証書遺言は、どのように作成されるので しょうか。母は最近物忘れがひどくなっていま すので、公正証書遺言ができないということも あるのでしょうか。  お母様の認知状況がどのような ものかわかりませんが、仮に、公証 人との会話が成立たないという ような場合は、公証人に公正証書を作成しても らえないということは大いあり得ます。 よろず 法律相談室 不動産を所有していると、毎年固定資産税などを 納めなければいけません。1月1日(賦課期日)の 時点で不動産を所有している人に対して、その年 の4月1日から始まる年度分の税として課税され ます。納税義務者はたとえ1月1日以降に不動産 を売却したとしても変更されません。そのため、不 動産を売却した場合でも売主には1年間の納税義 務が生じるわけですが、所有権を失っている売主 が1年分を支払うのは不公平であるといえるで しょう。そこで不動産取引の実務では、日割り清算 をおこなうことが慣例になっています。引渡日の 前日までの分を売主が負担し、引渡日以降の分は 買主が「固定資産税等清算金」として売主に支払 います。そうすることでお互いに損得が生じないよ うに清算します。ただし、法律上の規定はなく、あ くまでも慣例ですので日割り清算をおこなわなく ても問題はありません。不動産売却をおこなう際 は、契約書の「公租公課の分担」という条項で固定 資産税などの清算について、どのようになってい るか確認しましょう。 公証役場では公証人から氏名と生年月日、そして、住 所を尋ねられますが、それらの事柄を答えることがで きないと、おそらく遺言をする認知能力はないと判断 され、公正証書の作成を拒まれることになろうかと思 われます。 次に、遺言をする認知能力は十分にあるだろうと見込 まれる場合には遺言書がスムーズに作成できるように するために、通常、事前に公証役場と遺言書の文面や作成 の日程調整をおこないます。しかし、仮に、遺言書の内容 が本人の意思で決まったとしても、公証役場では遺言書 の文面を公証人が読み上げるのを、ただ聞いていればい い、というものではありません。  例えば、不動産では地番や地積、あるいは床面積の正確 な数字までは要求されませんが、大まかでも所在地や建 物の階などは答えることができないと認知能力がない と判断される可能性もあります。 他の財産、例えば預貯金についても、すべてを特定の 相続人に相続させるというのでしたら大まかでもよい のですが、それぞれ別の相続人に相続させるというので したら、公証人に土地・建物の内容、金融機関や支店の別 を答えることができるようにしておかなければなりま せん。 より詳しくは支店相談担当者までご相談ください。 Jam 2024 January A Q 高齢の母が公正証書 遺言を希望しているの ですが、公正証書遺言 が作成できない場合 もあるのでしょうか? Part.271 弁護士 東 拓治 お答えするのは 税金・相談・開発・不動産の事ならズバリ! 今回の知っ得担当 vol. 172 不動産部 開発センター 石丸 奈緒美 知っ コーナー 得 不動産を売却したら固定資産税はどうなる? 13

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